還元型コエンザイムQ10とは

コエンザイムQ10には酸化型と還元型がある

私たちの体は約60兆個もの細胞によって作られています。この細胞の一つ一つにはミトコンドリアという小器官が存在し、生命維持と生命活動に欠かせないATP(アデノシン3リン酸)を作り出しています。
コエンザイムQ10は補酵素であるコエンザイムの一種であり、ミトコンドリアがATPを作るのに必要な物質です。自然界に広く存在し、キノン構造と呼ばれる独特の構造を持つことから「ユビキノン」と呼ばれています。

さらにコエンザイムQ10はその性質の違いによって、酸化型と還元型に分類されます。この二つのタイプを区別するため、酸化型はユビキノン-10、還元型はユビキノール-10と表記することがあります。

人間の体内で利用されるのは全て還元型

体内で利用され合成される還元型

コエンザイムQ10はミトコンドリアが作り出していますが、体内の全ての細胞に存在しています。特に多く存在するのは活発に代謝を行っている心臓、肝臓、腎臓、肺、筋肉などです。
ビタミンのような働きをするため「ビタミン様物質」と呼ばれていますが、ビタミンとは異なり体内で使用する量の半分程度を体内で合成しています。
そしてどちらもそのほとんどが還元型です。ミトコンドリアがATPを作り出すために活用できるコエンザイムQ10は還元型のみであり、酸化型は利用することができません。

ただしサプリメントなどから摂った酸化型コエンザイムQ10は、小腸で吸収されてリンパ管に移行する過程で還元型に変換されます。
ですからコエンザイムQ10は還元型でなければ効果がないというわけではありません。どちらを摂っても効果を得ることができます。

全てが還元型に変換されるわけではない

しかし、残念なことに酸化型が全て還元型に変換されるわけではありません。加齢、病気やストレスなど、さまざまなことが原因で還元型に変換される割合が低下していきます。
還元型に変換されなかったコエンザイムQ10は利用することができませんから、そのまま尿や便と一緒に体外に排出されてしまいます。

さまざまなことが原因で還元型の割合が低下する

若くて健康な人の体内に存在するコエンザイムQ10はほとんどが還元型です。しかし、ストレスや病気、加齢によって還元型の割合が低下し、代わりに酸化型の割合が高くなります。

健康な男性127名の血漿中の還元型コエンザイムQ10の割合を調べたところ、年齢が上がるにつれて還元型の割合が減ることが確認されています。(参考元1)
また糖尿病、腎透析、肝臓疾患などの病気を患っている方は、血液中に含まれる還元型コエンザイムQ10の割合が低下することが分かっています。
これらは体内の活性酸素による酸化と、酸化型から還元型へ変換する能力が低下していることが関係しているとされています。

近年になり普及した還元型コエンザイムQ10

コエンザイムQ10は1956年に発見され、1966年に世界で初めて量産化に成功しました。日本では1973年に医薬品として認可され、2001年に健康食品として認められました。

とはいえ当初、製造されていたコエンザイムQ10は全て酸化型であり、長らく還元型を製造することができませんでした。
その理由は、コエンザイムQ10を抽出しても、空気に触れるとすぐに酸化して黄色く変色してしまうためです。酸化していない還元型のコエンザイムQ10は白い色をしています。
酸化に弱いという性質が還元型の製造を阻んでいたのです。還元型のコエンザイムQ10の製造は酸化を防ぐための高度な技術が必要で、コスト的にも量産化が困難でした。

近年になり酸化を防ぐ技術が開発されると状況は変わります。2000年に初めて還元型の製造に成功し、2007年には日本で初めて還元型のサプリメントの販売が開始されました。こうして少しずつ、より効果の高い還元型が普及しています。

還元型のメリット

即効性がある

ATPを作るためにより効率的なのは還元型のコエンザイムQ10です。変換が必要ないためすぐに体内で利用することができるというメリットがあり、優れた即効性があります。
還元型のコエンザイムQ10を経口摂取した場合、酸化型に比べて約2倍吸収性が高いことが試験で確認されています。(参考元2)
還元型はすぐにエネルギーが必要な場合に適しています。例えば激しい運動を行う方や、病気や手術などで体が弱っている方、体力のない高齢者です。

優れた疲労回復効果

還元型のコエンザイムQ10は体内で変換することなくすぐに利用できるため、優れた疲労回復効果が期待されています。これはミトコンドリアがATPを作る働きを強力にサポートするためです。

【還元型コエンザイムQ10の疲労回復効果を示す試験結果】

愛知県上島町の地域住民を対象に、還元型コエンザイムQ10を継続的に摂ってもらい、健康状態の変化を調べました。
その結果、特に男性で全体的な健康感、活力、心の健康スコアと体内の還元型の比率との間に関係性が認められました。
これは体内の還元型コエンザイムQ10の量が多い人ほど健康で疲労を感じにくいということを示しています。(参考元3)

抗酸化作用を持つのは還元型のみ

コエンザイムQ10の代表的な効能の一つが、体内の余分な活性酸素を除去する抗酸化作用です。私たちは呼吸によって酸素を取り込んでいますが、そのうち最大5%は酸化作用の強い活性酸素になります。
この活性酸素が体内で増えすぎると、細胞や血管を酸化によって錆つかせて、動脈硬化や老化を引き起こします。

実はコエンザイムQ10の中で抗酸化作用を持つのは還元型のみです。酸化型は文字通り空気に触れることで酸化しているため、抗酸化作用がありません。

では還元型の抗酸化作用はどれくらい優れているのでしょうか?
抗酸化作用を持つ成分と言えばビタミンCやビタミンEがよく知られています。特にビタミンEは酸化を防ぐ作用が強く、食品を保存する目的で配合される酸化防止剤によく使われています。
これまでの研究で還元型のコエンザイムQ10は、ビタミンEと同等の抗酸化作用を持つことが分かっています。また人間の体内で作られる還元型のコエンザイムQ10も酸化を防ぐ働きをしていることが分かっています。

美容効果

活性酸素の増加とATP不足が美容に悪影響を及ぼす

詳しい情報(クリック)

美容の面からも還元型のコエンザイムQ10は優れています。

年齢を重ねても美しくありたいと願う女性にとって一番の悩みは老化です。
老化の原因は主に二つが考えられます。一つは体内の活性酸素が増えることで引き起こされる細胞の錆つき(酸化)です。もう一つはエネルギー産生の効率が悪く、ATPが不足することで引き起こされる疲労感です。
細胞が錆つくと肌の老化に繋がります。エネルギーが不足すると疲れやすくなり、老けて見えるようになります。

老化を防ぎ体の内側から働きかける

還元型のコエンザイムQ10には優れた抗酸化作用と疲労回復効果があります。抗酸化作用によって体内の余分な活性酸素が取り除かれることで、肌の老化を抑制することができます。
これはシミやそばかすの発生を防ぎ、肌の潤いと白さといった外見の美しさを保つために非常に有効です。さらにエネルギーが全身に行き渡ることで、疲れを感じにくくなり体の内側から健康になります。
活力に満ちていて疲れを感じさせない人は若々しく、美しく見えます。それは肌などの外見の美しさにも大きな影響を与えます。

還元型のコエンザイムQ10をマウスに投与する試験では、老化を抑制する効果が認められています。この効果は還元型のみであり、酸化型を投与したマウスは老化を抑制することができませんでした。(参考元2)

うっ血性心不全の症状を改善する効果

コエンザイムQ10はもともと心臓病の治療薬として開発されてきた経緯があります。日本では1973年に心臓の機能が低下する「うっ血性心不全」の治療薬として認可されました。
もちろん当時の治療薬に使われていたのは全て酸化型です。しかし、うっ血性心不全は末期になると酸化型では十分な効果が得られないことがあります。そこで期待されているのが還元型のコエンザイムQ10です。

【還元型のコエンザイムQ10の効果を示す試験結果】

酸化型コエンザイムQ10を摂っても効果が見られなかった慢性心不全患者を対象に、還元型のコエンザイムQ10を摂ってもらいました。その結果、症状が劇的に改善しました。
患者の血中コエンザイムQ10濃度を調べると、酸化型を摂ったときの平均値(1.6μg/mL)に対して、還元型は平均値の約4倍(6.5μg/mL)に上昇していることが確認されました。
このことから還元型は酸化型と比べて効果が高い、あるいは酸化型では見られない効果を発揮することがあると考えられています。(参考元2)

還元型のデメリット

還元型のコエンザイムQ10はメリットばかりではなくデメリットもあります。

品質管理が大変

不安定で扱いが難しい

還元型のコエンザイムQ10は空気に触れるとすぐに酸化するため品質管理が大変です。極めて不安定であり扱いには注意しなければいけない点がいくつもあります。
製造された直後は問題なくても、流通の途中で酸化するのを防ぐのが大変です。出来たときは還元型でも、消費者の手に届いたときに酸化していては意味がないからです。

低温保存やビタミンCなどの酸化防止剤が必要

酸化を防ぐためには低温に保ったり、ビタミンCなどの酸化防止剤と共存させる必要があります。しかし、低温に保つ=要冷蔵とすると、常温での流通が不可能になります。
ビタミンCなど他の成分を一緒に配合すると、他の成分の影響を受けることで純粋なコエンザイムQ10ではなくなる恐れがあります。

特殊な梱包が必要

もちろんこれだけでは酸化を完全に防ぐことはできません。多くのメーカーではアルミ袋などを容器に使い、無酸素状態にする脱酸素梱包を行っています。
とはいえ通常の真空包装では、減圧によって包装材が収縮することで、粉末が圧縮されて固まりとなり品質を保つことができません。
そこで、効率よく粉末を窒素に置き換えることで、脱酸素状態にする梱包が開発されました。また、より安定性を保つためにソフトカプセルが採用されました。
ほかにも酸化を抑制し混入した空気を効率よく吸収するために、安定化剤や吸収促進剤を使うなどの工夫がされています。

価格が高い

還元型コエンザイムQ10の製造は非常に難しく、さまざまな新しい技術を必要としています。さらに酸化しやすく極めて不安定であり、扱いが難しく品質管理が大変です。
このようなことが、還元型のコエンザイムQ10の製造と流通にかかるコストを下げるのを難しくしています。このため安価に購入できる酸化型と比べて、還元型は価格が高いというデメリットがあります。

参考元1:研究情報③血漿中還元型CoQ10の割合は加齢によって低下する
参考元2:還元型コエンザイムQ10の実生産および 商品化に向けた技術研究開発
参考元3:夏バテや中年太り抑制効果も! 意外と知らない「還元型コエンザイムQ10」の働きとは? - 価格.comマガジン

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